閑散とした通りを走っていた。 レインスーツのフードに当たる雨音と、錆びたチェーンが軋む音、時折すれ違う車のエンジン音。 年明け前の静けさ、行く年来る年、何も変わらない私。 今日も仕事だ。 明日も、明後日も。 せめて明日の日の出は眩しくあるといい…

昔のトラウマの夢を見て起きた。 目を開け、同じ姿勢のまま数分固まっていた。 今日が何曜日か分からない。 体を起こし、ぬるい水道水をコップに注ぎ、暫し経って、明日が休日である事に思い至る。 要らないことを考えていると、ふとある曲の歌詞の「どうぞ…

アメスピを吸っていた。 ホープかエコーが吸いたかったが、両方とも切らしていたので、仕方なく。 後味がしつこく残るのが嫌で、どうにも好きになれない。 気怠く、胸がムカつく。 数日前につけた焼き跡の瘡蓋が痒い。 明日も仕事だ。 そろそろ寝るとする。

「老人と海」で好きな一節がある。 なぜウミツバメみたいな、弱くて繊細な鳥がつくられたんだろう、この残酷な海に。いや、海は優しくて美しい。でも残酷だ。突然残酷になるんだ。悲しげに小さな声で鳴きながら飛び回り、急降下して餌を取ろうとするあの鳥た…

遮光性の低いカーテンから、黄金色の光が漏れ出ている。 薄暗い部屋がクリーム色に照らされ、夕暮れ時が近づいていることを知らせている。 昨日、誕生日を迎えた。 気づけばもう27歳である。 いつからか、誕生日がちっとも嬉しくなくなった。 ただ無意味に歳…

心地よい朝である。 目覚めも快調だが、喉の近くが裂けて痛む。 カラカラになった口内に、刺すような痛みを覚えるが、不快感は感じられない。 昨夜飲み掛けだった気の抜けた缶チューハイを流し込み、渇きを紛らわす。 今日も何事もなく、つつがなく、平穏な…

嘘をついた。 恥ずかしさに耐えられず、右手首に根性焼きをした。 辛い。 苦しさが紛れない。 何もかも忘れたい。 辛い。

風邪を拗らせている。 喉が渇く、痛む。 連日仕事には行っていたが、どうにも体力の限界を迎えているようだ。 体が怠い。 眠い。

0時7分、起床。 窓から静かに聞こえる雨音にうつらうつら、再び眠る。 3時39分、4時31分、6時57分、起床。 レインスーツを着て、自転車を走らせる。 ブーツに染み込む雨が冷たい。 死にたくなるような通勤路。 帰って鯖の混ぜ飯を炊いた。 待つ間タバコを吸…

午前0時15分、起床。 洗濯物を干しておくのを、すっかり忘れていた。 慌てて乾燥機を点けて、ハンガーをかける。 頭痛が酷い。 再び眠る。 午前3時57分、再び起床。 鈍痛が未だ頭に響く。 眠気で頭が朦朧とする。 まだ眠っていたい。 今日は弁当は作らなくて…

不恰好な卵焼きを焼いて、冷凍食品と一緒に弁当箱に詰めた。 朝飯を食べて、出勤前の1本を吸う。 昨日道端に転がっていたタヌキの死体が、今朝は綺麗さっぱり、跡形もなく消えていた。 役所が片付けたのか。 終業1時間前。 タバコを吸っていたら、夕陽に向か…

午前3時13分、起床。 音楽を聴きながら寝転がっていたら、そのまま眠ってしまっていたようだ。 近頃はとても疲れやすい。 無意味に疲労ばかりが溜まり、すぐに眠気が訪れる。 その癖、ろくに眠る事ができず、早朝に目が醒める事が増えている。 眩暈が酷い。 …

午前4時、タバコを2本吸った。 オリオン座を探してみたが、どこにも見つからなかった。 沈んでしまったのだろう。 その後すぐ二度寝した。 起きて、インスタントラーメンを食べた。 出勤前にもう1本吸った。 ホープが残り少なかったので、仕方なくカートンで…

午前3時47分、起床。 外は暗い。 心は晴れない。 とても憂鬱だ。 いつもの事ながら。 朝、幸せな気分で起きる事ができたのは、もう何年前の事だろうか。 中学生のあの頃から、私は少しも変われていない。 乾燥機を点けっ放しにしておくのを忘れていた。 慌て…

正午を過ぎて、ようやくベッドから体を起こせるようになった。 ニット帽を被って上着を着て、外に出た。 タバコを2本吸った。 枯れていく空気に、野焼きの匂いが風に乗せられて飛んでくる。 焦げた匂いが鼻に、タバコの煙が目に染みた。 いくつか買わなけれ…